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芸能人の不祥事について|役者として考えておきたいこと

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先日ふと呟いたツイートが思いもよらない形で反響を呼び、初めてのバズツイートとなりました。

フォロワー数30弱の小さなアカウントにも関わらず大きく拡散されたお陰か、さまざまなご意見をいただきまして、改めて芸能で生きていく難しさを感じた次第です。

また140字という制限の中で呟いたせいもあり、説明の足りない所も多かったため、改めてこの場で解説していきたいと思います。

特にやや手厳しいご意見や強めの感想については役者を目指す人に誤解を招くものもありましたので、個人的な見解を述べていきます。どうか役者という仕事を理解する一つのきっかけとなれば幸いです。

いただいたコメントへの個人的見解

ここではいただいたご意見で気になったものをピックアップしていきます。あくまで個人的な見解ではありますが、役者として不祥事を考える上での参考となれば幸いです。

一つの仕事を受けるたびに規約違反が列挙された契約書を交わす役者の仕事。その責任と役者としての商品価値を今一度考えるきっかけとして一読してみてくださいね。

「示談したのに掘り返す方が悪い」

一番多かったのがこのご意見です。今回は数年前に示談済みの内容を掘り返す形でのスクープであり、その結果としてあらゆる仕事を降板する自体にまで発展していました。その経緯故に示談済み&数年前の事件が現在の仕事に影響を及ぼすことに疑念を抱いた方が多かったのかもしれません。

しかし商品のPRやイメージキャラクターを引き受けることの多い芸能界においては、基本的に仕事を引き受けた時点で、次の要素を約束するものとしています。

  • いかなる違法行為も犯していないこと
  • 反社会的勢力に属していないこと
  • 品位を著しく下げる行為を行わないこと

言い方はクライアントによってさまざまですが、いうなれば清廉潔白であることが何よりも大事な世界になります。「企業や商品の顔になる」ということは、俳優が品位を下げる行為をすれば商品の売れ行きが落ち込み最悪の場合株価まで変動するとんでもない立ち位置です。裏を返せば、だからこそ数時間の撮影でも数百、数千万円の給与が発生する特殊な職種でもあります。

よって示談済みであろうと数年前の話であろうと、過去のスキャンダルが流出した俳優が降ろされるのもやむを得ない話。示談後に情報を売ったことへの議論はあって然るべきかもしれませんが、既成事実に対する顧客の評価とスポンサー側の処罰はまた別の問題です。

役者視点としては「示談済みなのに降ろされるなんて」という考えは絶対に持たないようにしましょう。

「やった時点ではなくバレた時点で商品価値が落ちる」

これは視聴者やファンなど享受する側にとってはその通りだと思います。何か過ちを犯していたとしても明るみに出なければもちろん商品価値は変わりません。

ただ役者側には過ちを犯した時点でバレるかもしれないリスクが発生してしまいます。中に傷のある果物を生産者が見るか買い手が見るか、というと分かりやすいかもしれません。

また俳優と業務委託契約を交わしている芸能事務所にとっても、商品価値が落ちるのは俳優が何かを犯してしまった時点に生じます。

いつ不純な過去がバレるか分からない商品を売り出すには非常にリスクが伴うものです。役者として活動したいのであれば、日頃から品行方正な振る舞いを徹底し、バレなきゃいい精神は絶対に改めておきましょう

「一般市民に口出す権利はない」

今回に関しては、一般市民であっても商品やサービスを享受している存在にあたるため全く無関係とは言い切れません。たとえば問題を起こした俳優が、いつも使っている洗剤のPRをしていたら、その視聴者は企業にとって顧客にあたります。

よって顧客である人々の意見を企業が考慮するのは当然の成り行きといえるでしょう。俳優と一般市民に直接のつながりはありませんが、俳優は顧客に対して間接的に商品を提供している存在になりますので、俳優の振る舞い次第で俳優がPRしている商品にマイナスイメージを持つのは当然の話です。

俳優が行った行為の是非を糾弾するのは難しい問題ですが、商品やサービスに難色を示すことはあってもいいのではないでしょうか。

ただ、もちろんキャンセルカルチャーとの区切りはあって然るべきです。不買運動を呼び掛けたりSNS上で徹底的に追い詰めたりするのは、ご意見の通り範囲を超えた行為にあたります。決して肯定される行動ではありませんので控えることが賢明です。

「キャリア復帰できる世界であるべき」

俳優は自身の振る舞いや言動、作品に対する姿勢も含めて世間一般でのイメージが作られていく商品になります。一度でも罪を犯したのであれば表舞台に戻ってくるべきではないというのが個人的な意見です。ましてや被害者がいる人権侵害行為の場合、被害者がいつどこで目にするか分からないような職種に戻ることを是としていいものか。議論が必要な問題といえます。

もちろんかつて罪を犯した人であっても社会復帰できる世界であるべきという意見には大いに賛成です。しかしそれは必ずしも芸能界である必要はありませんよね。

役者ひいては芸能人を目指すのであれば、自身がどういう価値観であるにせよ、人々からの信用を得て商売が成り立っているものと考えましょう。

「○○(人名)は許されてる」

これは残念なことですが実際にある話です。芸能界は近年浄化されつつあるとはいえ、芸能事務所とスポンサー企業が旧知の仲であったり芸能人とクライアント自体がズブズブであったりすることも少なくありません。ましてや大物俳優、人気タレントであれば多少の不祥事も揉み消されてしまう世界です。

逆に言えばそれだけに今回リークされた件は大きな衝撃でした。彼ほど著名な人物でも揉み消されることなく情報が出回ってしまったことは、業界の変化ともいえるかもしれません。

とはいえ役者の立場からすれば不祥事自体起こすべきではないものです。たとえ事務所の先輩が生きながらえていたとしても、それを根拠に羽目を外すことは絶対に止めましょう。

「相当過酷な労働環境なのでは」

これも仰る通りのご意見で、業界全体で考え直していくべき課題です。睡眠時間を削ってでも仕事を詰め込む芸能界では、役者よりも利益が優先されることも少なくありません。その過酷さは立ち位置に関係なく、売れていない役者も売れている役者も法外な長時間労働が当然のように蔓延っています。

下積みだった私ですら、たったの3,000円で休憩なしの16時間拘束を受けたこともあるほど。さらに待機中は海に濡れた体でタオルなしのまま冬の砂浜に放置されるという酷い労働環境でした。(当然体調不良者も続出)

芸能界ではいまだ、売れていない役者はチャンスを餌に、売れている人は莫大な利益を背景に、過酷な労働を強いられます。

だからといって今回の件が許されるべき問題では決してないものの、事務所やマネージャー、業界全体が見つめ直すべき課題が浮き彫りになった事件といえるでしょう。どうか業界側は本件をただ当人の問題と糾弾するのではなく、労働環境にもメスを入れることを切に願います。

立ち振る舞いも商品価値の一つ

今回思いがけずバズってしまったことで不特定多数の目に意見が拡散される恐ろしさを体感しました。140字以内ということもありやや強めな口調となったことも相まって、いいねが1000を超えたあたりから誹謗中傷も急増したように感じます。

とはいえ今回のツイートは、役者側がクライアントや事務所に対して行っている契約内容を前提とした上での意見になります。役者など芸能を目指している方々に伝えたいのは【商品やブランドのイメージを著しく下げる行為のNG】は実際に契約文書に記載されていることがほとんどということです。行為自体の時期や結果がどうであれ、契約期間内に発覚すればブランド価値を下げているかどうかの審議対象となります

常に品行方正にというのは中々難しいものですが、下積みの時期から立ち振る舞いについては意識しておくようにしましょう。いかなる場合も周囲の意見に耳を傾ける柔軟さが大切です。