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演技が上手くなるには?今からできる5つの方法

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「芝居が上手くなりたい」と思うのは役者なら当然のこと。しかし芝居が上手くなる方法を具体的に説いた本はなく、迷ってしまうこともありますよね。

そこで今回は15年超の役者生活で培った上達のテクニックや練習方法を紹介していきます。

  • なぜ芝居が上手くならないのか分からない
  • 演技が上手くなる具体的な方法を知りたい
  • 実践的なテクニックを身に付けたい

こんな悩みを持つ方は、まず自分が持っている苦手ポイントを見つけていきましょう!そのあとで今回解説する上達方法をぜひ実践してみてくださいね。

演技が下手に見えてしまう理由4選

「セリフを言うこと」に集中している

本と眼鏡

演技初心者がまず陥りやすいのが、セリフに集中しすぎてしまうことです。実はセリフを覚えることは基本でありながらプロでも悩み続けるテクニックの一つ。

勉強の暗記とは違い、まるでその場で思い付いたかのような感覚とともに発する必要があります。たとえば芝居中、こんな感覚に陥ったことはないでしょうか?

  • 相手のセリフのときに次の自分のセリフを思い出している
  • セリフが飛ばないか不安でたまらない
  • 頭の中に台本やセリフがイメージとして浮かんでいる

これはセリフが落とし込めていない証拠です。不思議なもので、セリフに自信がないまま話していると観客には役者の不安が伝わります。

その結果【一生懸命演技をしている状態】に見えてしまい、演技が下手だと言われてしまうのです。

セリフを覚えるには人によってさまざまな方法があります。まずは自分が覚えやすい方法を見つけて、ひたすらセリフを染み込ませる練習を行っていきましょう。

役者が役を愛していない

裁判の槌

普段は芝居が達者な人でも、キャラクター次第で下手に感じてしまうときがあります。その根本的な理由としては役者が役を愛していないことがほとんどです。

たとえば社会的な道理に反する以下のキャラクター。

  1. 痴漢やレイプ魔といった性犯罪者
  2. 無差別殺人など動機が不明の殺人犯
  3. ヤクザなどの反社会的勢力

こうしたキャラクターは現実では中々触れる機会がないものの芝居ではよく使われる役どころになります。

しかしニュースで彼らを知ったときのような表面的な感覚で演じてしまうのはNGです。役者としてキャラクターを演じるならば彼らの悩みや人生に触れる努力が求められます。

たとえば、上記のキャラクターにこんな設定が付いてきたとしたらどうでしょうか。

  1. 【過去に母親やその友人に性的乱暴をされた経験があり、女性に対する恐怖を持ちづけて生きてきた】性犯罪者
  2. 【幼い頃両親が亡くなり親戚をたらい回しにされ、友人も恋人も作れず、仕事も会社の都合でクビになった】無差別殺人犯
  3. 【育児放棄をした母親のもとで食べるものもなく行き倒れそうになったところ、今の組に拾われた】ヤクザ

もちろん酷い過去があるからといって罪が許される訳ではありません。

しかし彼らの苦しみや今に至るまでの道を知ることで、先ほどよりも彼らを知ってみたいという気持ちが働くはずです。

脚本にかかれていないことは全て役者の自由。そのチョイスが役者の個性を際立たせ、観客が役を見ようとするきっかけにもなります。

理解できないキャラクターを受け取った時こそ、その欠点を作った人生の歴史をたくさん想像していきましょう。

最初から正解のイメージを持っている

正しい道を示す看板

意外と陥りがちなのがこの、最初から目指すべき演技をイメージしてしまっているパターンです。

慣れてくると脚本を読んだときに情景が浮かぶ人は多いかもしれません。ですが人が最初に持つイメージの種類は乏しく、一つのセリフがあったとき10人中9人が同じ言い方をするとまで言われています。

たとえば次のセリフを見てみましょう。

愛してるよ」

いまセリフはどんな風に聞こえたでしょうか。

恐らく真面目に、もしくは、はにかみながら相手に伝えているイメージを浮かべた人が多いかと思います。

でもこのセリフにこんなト書きが入っていたら、音はきっと変わるはずです。

  • (心底嫌いだという皮肉で)愛してるよ
  • (相手を笑わせるために)愛してるよ
  • (仕事を手伝ってもらって)愛してるよ

言葉は面白いもので、心で思っていることと全く一致することはほとんどありません

最初のイメージに捉われず、常により面白く聞こえる言い方やより素敵に思える動き方を探求していきましょう。

「~したい」よりも「~すべき」を優先している

真面目な人ほど陥りやすいのが、やりたいことがやるべきことに変わっていってしまう現象です。

芝居に正解はないとはいえ、役者はどうしても評価され続ける職業。上手くいかないことが続けば続くほど、評価を求めて義務感に駆られてしまうのは当然といえるかもしれません。

しかし周りの評価に偏り過ぎると、やりたい夢がやるべき仕事に変わっていってしまいます。小さな心の機微でもしっかりと伝わる芝居では、役者本人の義務感はご法度。

いま何のために芝居をしているか分からなくなっていたら、一度立ち止まって自分の原点を探していきましょう。魅力ある芝居のためには本人が楽しんでいることが一番です

演技が上手くなる5つの方法

エチュードを沢山こなす

話し合う人々

誰もが一度は苦手意識を持ったことのあるエチュード。それでもエチュードは芝居の基礎力をバランスよく鍛えてくれる、演技の上達に欠かせない練習方法です。エチュードでは以下の能力を鍛えることができます。

  • 話を先に進めていくアドリブ力
  • 全体の流れや相手の動きを察知する洞察力
  • 相手に自分がやりたいことを察してもらうためのアクション
  • セリフを初めて言う言葉として発する感覚

エチュードには台本がないため自分たちで話を作っていかなければなりません。上手く行うためには相手に自分の考えを察してもらったり話の流れを察したりする洞察力が必要です。

セリフも当然その場で考えた言葉になるため、自然に出た言葉として発せるかがポイント。この感覚をそのまま実際のセリフにも使えたら、かなり自然な演技へと近付いていきます。

初めは苦手意識がなかなか拭えないかもしれませんが、毎度反省と実践を繰り返していけば必ず慣れていきます。トライ&エラーを重ねながら、リアルの感覚を培っていきましょう。

エチュードが上手くなる
アドリブ克服!エチュード(即興劇)が上手くなる4つのテクニック演技レッスンやウォーミングアップで行われることの多い即興芝居。エチュード、インプロとも呼ばれるこの方法は、役者であれば必ず一度は経験する...

セリフを反射で言えるまで覚え込む

話す人

セリフが不安な人はまずとことんセリフを覚え込んでみるのがおすすめです。どんな状態でも反射でセリフが出てくるよう、段階に分けて覚えていきましょう。

次に個人的に行っている練習方法を紹介します。

  1. 相手のセリフだけ話して自分のパートを空けた音を録音する
  2. 録音を聞きながら自分のセリフを相手の言葉に反応して喋っていく
  3. 簡単な家事をしながら②を行う
  4. テレビを見ながら②を行う
  5. アプリなどで遊びながら②を行う

この方法では③~⑤にかけて難易度が上がっていきます。自分がどれくらい覚えているかも分かるため、稽古の進度も知ることができる理想的な方法です。

身体を動かしながら、他の音を聞きながら、頭で違うことを考えながら話すことができたら、相当セリフがしみ込んでいる証拠。セリフを言いながら動きを付けるのも楽になりますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

役の思いを1つでも多く見つける

考えている人

演技ではそのときの思いによって声色や言い方、態度や表情すべてが変わります。その思いは1つとは限らず、相反する感情が混ざり合っていることだってあるかもしれません。

たとえば大学受験の合格発表で不合格を知った役の心中をイメージしてみましょう。

「あんなに頑張ったのに悔しい」

「憧れていた大学なのに悲しい」

きっとこんな内容が思い付くのではないでしょうか。でも、さらに突き詰めてみると次の感情が芽生えている可能性も考えられます。

「塾に行かせてくれた親に申し訳ない」

「隣の人は受かったっぽい、なんで私は」

「ここに入れないならこの先どうしよう」

「親になんて報告しよう」

「こんな人前で泣きたくないな」

人は多くのことを同時並行で考えられる生き物です。思いの大きさに差はあれど、1つの出来事に対して浮かぶ思いは決して少なくありません。

抱える思いが多ければ多いほどキャラクターはより立体的に、魅力的になっていきます。

キャラクターの個性や生い立ち、性格を踏まえながらたくさんの可能性を掘り下げていきましょう。

ストレスが高いほど動作を付ける

ぐちゃぐちゃになったメモ

これは真剣な話をしているシーンや重要な告白を行っているときに使えるテクニックです。

実は、現実で人がストレスの高い場にいるとき、何もせず言葉を紡いでいくことはほとんどありません。

いままでにした誰かとの大喧嘩や聞きたくない告白の自分を思い出してみてください。必ず現実から目を逸らすような何かしらの動きを行っているはずです。それは基本的に意味のない動作で、以下のような例が挙げられます。

  • 爪や髪をいじり続ける
  • 目に入った机のシミをなぞる
  • 喉が渇いていないのに何度も水を飲む
  • 見てもいないスマホを無意味に指で動かす

パートナーとの喧嘩中に「なんで○○してるの?」「△△してないで話聞いてよ」といった言葉を投げた、あるいは投げられた経験のある人も多いのではないでしょうか。それこそ、ストレスが高い現場にいる証拠です。

芝居でも緊張感のある場や強い感情を伴うセリフには、それを逃がすための動作が生じ得ます。ときには以下のように、動作自体をセリフにすることも一つのテクニックです。

  • (もう聞きたくないというように)強くドアを閉める
  • (相手の言い訳を信じないというように)大きなため息をつく
  • (全く自分は気にしていないというように)家事を始める

動作は言葉よりも雄弁なもの。セリフや状況から役の思いを見つけたら、言い方や声色だけではなく動作に表す挑戦もしていきましょう。

「~すべき」より「~したい」を優先する

役者は向き合えば向き合うほど心へ負担がかかる仕事です。いま芝居に対して不安や焦りを感じていたら、自身の原点を見つめ直すチャンスかもしれません。

こういう芝居をするべき

この人以外の演技は認められない

このキャラクターは絶対にこういう性格だ

こうした意見が頭を占めるようになったら、演技が義務感に縛られているサイン。「こうするべき」という気持ちが先行して、夢を持ったときの「こうしたい」という気持ちがないがしろにされています。

正解か不正解かという考え方に囚われず、自分がチャレンジしてみたい芝居やキャラクターをもう一度考えていきましょう。好きなことを全うしている姿こそあなたをより魅力的に見せてくれる大切な要素です。

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演技上達の鍵は “考えて気付くこと”

電球のメモ

今回ご紹介したテクニックは以下のとおりとなります。ご覧のようにどれも地道で面倒な作業です。

  1. エチュードを沢山こなす
  2. セリフを反射で言えるまで覚え込む
  3. 役の思いを1つでも多く見つける
  4. ストレスが高いほど動作を付ける
  5. 「~すべき」よりも「~したい」

けれど、だからこそ役者は誰しもに可能性がある職業といえます。一つのことを徹底的に考えて掘り下げていくことは中々できるものではありません。

しかし考えれば考えるほど、そのキャラクターはあなただけの感性が気付く可能性に満ちた、オリジナリティー溢れる役柄となっていきます。

まずは考えて気付くこと。下手でも浅くても解釈違いでも、やりたいことを追いかける姿は観る者を惹きつけます。

いつか自分の味が染み込むことを目指して、演技の探求を続けていってくださいね。