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【2024年版】役者の確定申告はどうすればいい?e-Taxのやり方をご紹介

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会社に所属することのない役者にとって、お金の管理は個人の責任。ましてや毎年訪れる確定申告は、ほとんどの人に関係する大切な手続きです。

とはいえ特殊な職業である役者さん(夢追い人全般)の確定申告は少々複雑なもの。
「何をどうすればいいのか分からない」という人も多いかもしれません。

そこで今回は私が実際に行っているe-Taxでのオンライン申告の流れについてご紹介。

必要となる書類から困りがちな経費まで幅広く解れていますので、ぜひ参考例の一つにしてみてください。

なお今回は個人の確定申告の流れを参考例として表示しています。税理士違反行為にあたらない旨は税務署に確認済みですが、個別の質問にはお答えしかねますのでご了承ください。また申告における根拠とはなりません。具体的かつ個別的な内容判断については所轄の税務署に確認することをおすすめします。

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確定申告についてのQ&A

両手で顔をおおう子ども

Q.確定申告ってなに?

A.一年間の所得と支払った税金を計算して、

  • 正規に報告していない収入がないか
  • 支払い過ぎている税金がないか

を確認する手続きです。

実施期間は毎年2月16日~3月15日前後。納めすぎた税金があれば還付金として返してもらうこともできます。税金の過不足などをチェックする申告手続きと覚えておきましょう。

Q.確定申告をしなければいけない人は?

A.アルバイトと別に活動をしていて(役者活動など)、「その活動での支払金額-経費」が20万円を超える人は必ず確定申告をしなければいけません。さらに、

  • バイト先で年末調整をしていない人
  • 源泉徴収や社会保険料の控除前の年収(額面)が300万円に満たない人

還付金が発生する可能性が大。確定申告をした方がお得になるかもしれませんよ。

ちなみに以前私は数か所でアルバイトを掛け持ちしていたために、10万円以上の還付金を受け取ることができました。これは税金を多く払い過ぎていたのが原因です。

Q.青色申告と白色申告のどちらが良いの?

A.基本的には”白色申告”でOK。

青色申告は控除額の大きい申告方法ですが「青色申告承認申請書」の提出義務があります。

一方白色申告は控除額こそ大きくないものの、簡単な帳簿づけで申告可能。提出書類も最小限で済む手続きです。

税務署に相談した上で、現在フリーで活動している私は今のところ白色申告で済ませています。

Q.雇用ではなく業務委託の所得はなに?

A.基本的に雇用契約の報酬が給与にあたります。そのため業務委託による報酬は事業所得か雑所得です。雑所得の分類は国税庁の規定を確認しておきましょう!

参考:国税庁「No.1500 雑所得」

事前準備するもの

書類とペン
e-Taxを始める前に必要となる主な書類は以下のとおり。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。

  • 仕事に関係する領収書(経費に当たるもの)
  • 支払調書や源泉徴収票
  • 社会保険料の領収証書
  • 医療費の領収証
  • 生命保険の控除証明書、個人年金の年金支払証明書(あれば)
ただし経費として認められる内容は税務署によって基準が異なるため必ず一度所轄の税務署で確認しておくことが肝心です

仕事に関係する領収書(経費に当たるもの)

仕事に関する出費は、大抵の場合「必要経費」として算出することができます。

ただしそれを証明するために必要となるのが、領収書とレシート

フリーで仕事を請け負う立場であれば、日頃からレシートの管理はきっちり行っておくようにしましょう。

必要経費として認められる例は、

衣装費

ヘアカットなどの美容費

レッスン費

交通費

といったものです。

公演期間はもちろん、稽古場への移動やオーディション、打ち合わせの移動も仕事のための営業活動として認められています。

なお交通費に関しては、レシートでなく交通費メモなどでもOK。たまにスイカのチャージ分の領収書を使っている方がいますが、詳細が明確でないためあまりおすすめしません。

基本的には無料の交通メモアプリなどで「交通費」「日時」「移動の目的」を記録しておくとスムーズですよ。

https://okinimesumama.com/players-item

支払調書や源泉徴収票

こちらはアルバイトや劇団、撮影など一年間の間に支払いが生じた全ての場所から確保しておくようにしましょう。

なかには「支払調書を発行してもらえない」というケースもあるかもしれませんが、確定申告は支払調書がなくても可能ですこのとき必要とされる情報は、

  • 支払金額
  • 源泉徴収税額
  • 支払者情報

の三点。

支払調書や源泉徴収票の送付が滞ったときのためにも、仕事を引き受けた際には、支払内容取引先の情報をメモしておくと良いでしょう。

社会保険料の領収証書

こちらは毎月支払う「国民年金保険」「国民健康保険」などのことです。

この二点は社会保険料控除として算出されますので、必ず用意するようにしましょう。

医療費の領収証

一年間の医療費を取っておくこともフリーで活躍する人にとって欠かせないポイント。

年間にかかった医療費が大きかった場合には、医療費控除が発生することもあります。

ただしこれは所得金額によって変わりますので、まずは一度入力してみるのがおすすめです。

生命保険、個人年金保険の控除証明書

個人的に加入している生命保険や個人年金がある場合は、確定申告期間の前に「生命保険料控除証明書」が送られてきます。

こちらも所得から差し引かれる金額となりますので、届いたら他の書類と一緒に確定申告の期間まで保管しておきましょう。

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e-Taxで行う確定申告(わたしの場合)

電卓とノート書類が一通り用意出来たら、いよいよ確定申告を始めていきます。

自宅で行う際は書類の他に、メモ用紙と筆記用具、電卓を置いておくとスムーズです。

入力ミスのないよう時間をかけてじっくりと行っていきましょう。

提出方法は3種類

確定申告書作成コーナーに進むと、税務署への提出方法が3つ提示されます。

  1. スマートフォン方式(QRコード)
  2. ICカードリードライタ方式
  3. ID・パスワード方式

なおその他にある「印刷して提出」も書類作成の手順は同じです。しかし税務署へ郵送する手間がかかってしまうため、個人的には①~③の提出方法をおすすめします。

①マイナンバーカード方式(スマホ)

こちらはスマホ一台でマイナンバーカードとe-Taxを連携することができる便利なサービスです。連携には事前にマイナポータルアプリをインストールしておく必要があります。(進んでいくとインストール用のQRコードが表示されます)

ただ、わたしも確定申告で使ってみましたが不具合やエラーはやや多いように感じました。ほかの提出方式に慣れている場合は、そちらの方が早いかもしれません…!

②マイナンバーカード方式(カードリーダ)

こちらの提出方法では

マイナンバーカード

ICカードリーダライタ

が必要となります。なお、ICカードリーダライタの代わりとしてマイナンバーカード対応のスマートフォンでも可能です。

対応しているIDカードリーダライタの機種やスマートフォンは、こちらから確認することができます。

もしマイナンバーカードを持っている場合は、対応するカードリーダライタを購入しておきましょう。二点さえ揃えば来年からの確定申告がグッと楽になりますよ。

私が数年愛用しているカードリーダはこちらです▼

②ID・パスワード方式(e-Taxで提出)

こちらは、税務署から発行される「ID・パスワード方式の届出完了通知」を使ったやり方になります。マイナンバーカード形式と違い一度税務署に出向く必要がありますので、ご注意ください。

個人的には初めての確定申告を税務署で行い、二度目からID・パスワード方式で提出するのがおすすめです。

最初の確定申告で分からない点や不安な点を税務署で解消し、合わせてID・パスワード方式の届出完了通知も発行してもらいます。次回からはその通知を使って自宅から確定申告ができますので、二度目の確定申告もスムーズです。

分からない時は税務署に電話確認してもOK。ただし確定申告期間はかなり混みあうため、早めに着手しておくことをおすすめします。

①作成内容の選択

個人情報を確認すると、「所得税」「決算書・収支内訳書」「消費税」「贈与税」の選択画面に切り替わります。

わたしは個人事業なども開業していないフリー役者での確定申告となりますので、入力するのは所得税のみ。左側の所得税の確定申告に進みます。

続くページは提出方法と生年月日のチェックです。特に難しいことはありませんので〈e-Taxにより税務署へ提出〉を選び、生年月日に間違いがなければ次に進みます。

出演料は”雑所得”

続いて申告内容に関する質問が出てきますが、ここが大切なポイント!「出演料」は給与ではなく雑所得にあたります。ですので【給与以外に申告する収入はありますか?】ははい

雑所得となる範囲は、基本的には出演料として支払われたもの全てが該当しますが不安な方は国税庁による定義をご確認ください。わたしは毎年税務署に電話で確認しています

参考:国税庁「〔映画、演劇等の出演等の報酬又は料金(第5号関係)〕」

②収入金額・所得金額の入力

確定申告の収入金額入力画面

わたしの場合、このページで入力するのは「給与所得」と「雑所得(その他)」です。給与所得にはアルバイトの収入を入力しますが、webライターなど[原稿料]の報酬がある場合は、こちらも雑所得扱いとなります。報酬が何に区分されるかは支払調書や源泉徴収票に明記されていますので、必ずチェックするようにしてください。

給与所得の[入力する]に進むと、源泉徴収票の入力画面になります。年末調整が済んでいるかどうかで2ヶ所に分かれていますので、間違えないように注意しましょう。

年末調整済みと年末調整済みでない源泉徴収票の見分け方については、ページ上部に記載されています。

確定申告での給与所得の入力画面

入力画面では右側に源泉徴収票の図が表示され、必要箇所にナンバーが記されているため入力は比較的簡単です。源泉徴収票が複数ある場合は、入力画面下の[続けてもう1件入力]から新しい内容を打っていきます。

確定申告での雑所得の入力画面

雑所得の入力も給与所得とほとんど同じです。種目で内容を選ぶことができますので、出演料の場合は「放送出演料」を選択していきましょう。なお演劇などの舞台出演料もこちらに含みます。ブログなどのアフィリエイトは広告収入です。

ここでようやく[必要経費]の欄が出てきますので、用意しておいた経費分のレシートを計算して総額を算出しましょう。

実は経費の細かな内容について入力する所はありません。その代わり、レシートが入力した経費の証明書となります。ここで使用したレシートはいつでも提示できるよう、確定申告後も大切に保管しておいてくださいね。

③所得控除の金額

確定申告での所得控除の入力画面

所得と収入の金額入力を終えたら、次は所得控除の入力です。ここでは冒頭で準備した、

  • 医療費の領収証
  • 社会保険料の領収証書
  • 個人加入の生命保険、個人年金の控除証明書

を入力していきます。順を追って確認していきましょう。

医療費控除

医療費控除では4つの入力方法が選べます。今回わたしは領収証を使った入力方法となるため、[領収書から入力する]を選びます。

確定申告での医療費の入力画面

入力内容については画面の通りです。このとき同じ病院から発行された領収書が複数枚ある場合は「病院、薬局などの支払先の名称」ごとにまとめて入力してOK。計算間違いのないようにだけ注意して入力します。

全て終わったら計算結果の確認が可能です。医療費控除額がある際はここで見ることができるので、確認してから進んでいきます。

なお医療費通知がある人は、【「医療費通知(「医療費のお知らせ」など)」、「領収書」、「医療費集計フォーム」から入力する】を選択するとよりスムーズです。

医療費通知に記載される金額と実際支払った金額には差額が出ることがあります。医療費通知があっても同内容の領収書は確認用に必ず持っておきましょう。

医療費控除の基準は治療目的かどうかになります。審美目的や予防のために購入したものは対象外です。そのため審美目的の歯科矯正はアウトですが、噛み合わせ改善のための歯科矯正はOK。避妊目的のアフターピルならアウトですが、生理不順によるピル代ならOKとなります。

しかし税務署によっては厳しい基準を設けているところもあるため不安事項は必ず事前に確認しておくと安心です。市販薬の場合は医薬品であるかどうか認しておきましょう!

社会保険料控除

ここで入力するのは一年間に支払った「国民年金保険」と「国民健康保険」の総額です。国民健康保険料には控除証明書がありませんので年間で支払った総額を入力します。

年金の総額については、日本年金機構からハガキで送られてくる[社会保険料(国民年金保険料)控除証明書]の通りに入力すればOKです。届いたら領収証書とともに大切に保管しておきましょう。

生命保険料控除

ここを入力するのは個人で加入している生命保険や個人年金があるケースです。保険会社から送られてくる[生命保険料控除証明書]が必須となります。

確定申告での生命保険料控除の入力画面

入力画面には見本が表示されていますが、保険会社によって記載方法はさまざま。入力箇所が分からない場合は間違いのないよう、加入する保険会社のホームページで確認してみましょう。

④税額控除・その他の項目の入力

確定申告での税額控除の入力画面

ここは所得以外での控除を入力する画面です。新築住宅を取得したり、災害による損害を受けたりといった特殊なケースに限りますので、該当しない場合はスルーします。

その下の予定納税額も今回は記入しません。「予定納税」とは前年の納税額が15万円である場合、その年の所得税などの一部をあらかじめ納付する制度のことで、該当者は税務署から通知書が送付された人に限られます。

⑤計算結果の確認

確定申告での結果画面

このページでは還付金額と合わせて、これまで入力した内容をチェックすることができます。

収入金額等

所得金額

所得から差し引かれる金額(所得控除)

税金の計算(税額控除等)

その他

に間違いがないか、改めて確認しておきましょう。

⑥住民税等入力

確定申告での住民税の入力画面

最後の画面は「住民税等入力」です。⑴~⑹のそれぞれで該当する箇所を入力するものですが、恐らくほとんどの方は⑴のみで済むのではないでしょうか。

雑所得がある場合は⑴に該当しますので、[住民税・事業税に関する事項]から住民税の徴収方法を選択することができます。給与から天引きするか自分で納付するかを選んでチェックを入れましょう。

⑦申告書を作成して送信!

確定申告での還付金額の結果画面

お疲れ様でした!ここまで来たらあとは受け取り方法と個人情報、税務署の内容を登録するのみとなります。

  • 令和〇年分の申告書等送信票(兼送付書)
  • 令和〇年分の所得税及び復興特別所得税の申告内容確認表B×2(第一表と第二表)
  • 所得の内訳書
  • 令和〇年分 医療費控除の明細書【内訳書】(確認用)

申告書等を送信した後は確認用に、以上5点も印刷しておきましょう。

覚えておくべきポイント集

請求書は仕事を終えた同月に送るのがベスト

確定申告で難しいのが、12月から1月にかけて行われた業務の振り分けです。たとえばフリーライターの場合、案件を引き受けると、納品日と請求日と振込日が異なる場合があります。

確定申告で基準となるのは、業務を達成した時点です。すなわち12月中に案件を終わらせ相手方に送っていれば請求や振込が1月であっても12月の業務と考えます。所得を確認するのは請求書となりますので納品日請求日は同じ月にしておくとスムーズです。

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確定申告を賢く使おう!

確定申告は一年間の収支の総決算ということもあり、手間も時間もかかる面倒な手続き。毎年確定申告の時期になると、SNSなどでは嘆く声が多く見かけられます。

ですが確定申告は、

支払い過ぎた税金を取り戻せる

住民税や国民健康保険料が安くなる

などフリーで活動する人にとってメリットの多い申告手続き。

今回は私のケースに置き換えた実例でしたので、少々異なる所もあるかもしれませんが流れは大体同じになります。ぜひ今回ご紹介した内容を参考にチャレンジしてみてくださいね。