オーディションは役者やアイドル、モデルであれば誰しもが直面する最初の扉。ここを通過しないことには次のステージに進めませんがなかなか一筋縄ではいきません。
しかしそんなオーディションでは確実に受からなくなる理由があることも事実です。今回は僕や周りの人の体験を元に落ちたときの振り返りをまとめてみました。実体験も踏まえて載せていますので、ぜひ僕たちの失敗を踏み越えていってください。
またオーディション突破率を上げるための方法についても触れています。合わせてチェックの上徹底したオーディション対策を行っていきましょう!
【実録】オーディションで落ちやすいタイプ10選
オーディションでは何百何千ときには何万の人が集まるものですが、そのタイプは大半が以下の10つに分けられます。主に僕たちが落ち続けていた時の振り返りです。かなり恥ずかしい。
- すぐに笑う
- 目立とうとしてでしゃばる
- 就活の手本のような人
- 自信がない
- 清潔感がない
- 周りを見下している
- 自己認識がない
- 愛嬌がない
- 対抗心・競争心が強い
- 自分だけの理由を答えられない
一次突破のためにもそれぞれの特徴と落ちやすい理由について見ていきましょう。
すぐに笑う人
意外と盲点なのがこのすぐに笑ってしまうタイプ。一見愛嬌がありニコニコしていて感じが良いようにも思えます。実際、僕も以前はかなりこのタイプに近い役者でした。
しかし注意しておくべきは、その笑顔が愛想笑いになっているかどうか。なぜなら「すぐに笑う」のは社会人としては必須であっても芸能では媚びを売っていると思われやすい行為。監督やプロデューサーなど現場で指揮権を持つ人たちはこうした愛想笑いを見抜くことに非常に長けています。媚びを売る人は実力がない人という考えを持つ人もいますので、過剰な愛想笑いはなるべく避けるようにしましょう。
もちろん心からの笑顔であれば、いくら笑ってもかまいません。現場では素直であることが自分を見せる鍵になりますので、あくまで自然体を心がけてみてくださいね。
目立とうとしてでしゃばる人
これはグループオーディションなどで経験したことの人も多いのではないでしょうか。
グループワークになると自分をアピールしようとして、あからさまにでしゃばってしまう人は少なからずいるものです。なんとなくお分かりかとは思いますが、でしゃばりと取られる悪い目立ち方には以下のような特徴が挙げられます。(友人F君の反省例)
- 人の話をさえぎる
- 他人の出番でもメインになろうとする
- 理由もなく派手に演じる
上記は役者のオーディションにおける例です。即興芝居でも脚本ありきの芝居でも、大切なのは会話が成立することで誰かが目立つことではありません。
もしグループオーディションでこのような人が出てきた場合は要注意。無理に同じテンションになろうとせず素直に指摘するのがおすすめです。
「今日テンション高いけど、なんかあった?」
「相変わらず騒がしいな~!」
こんな風にセリフを放り込んでしまいましょう。相手のキャラ設定をフォローできる上にでしゃばることなく見せ所にもつながります。
身勝手な役者がいたときは自分のアピールの場に変えてしまうのもアリですよ。
就活の手本のような人
これは特に真面目な人に多い特徴です。僕も以前はこの癖が抜けず自然体で話せるようになるまでかなり苦労しました…。「就活の手本のような」というのは具体的にいうと以下のような感じです。
- 人前で話すと声色が変わる
- 接客中の店員のような態度になる
- 過度に敬った話し方をする
誰しも人前でなにかを話すときには、少しばかり態度や声色が変わってしまうものです。しかし人前で芝居をする役者ならば外向きの態度や声色はNG。人前であれプライベートであれ素の自分を見せられることが重要になります。
自分がそうなっているか分からないときには友達に聞いてみましょう。恋人や家族は素を見せやすい関係になりますので、適度な距離間のある友達くらいがおすすめですよ。
自信がない人
役者を目指してはいても自分自身に自信がない人は結構います。むしろ自分に自信がないからこそ他人の人生に憧れるのかもしれません。(友人Eさん談)
しかしオーディションではそうした自信のなさもNG。自分をしっかり持っていてなおかつ弱さも強さも心得ている人が好まれる傾向にあります。
下を向きがちだったり声が小さいと言われたりする人は要注意です。ルックスでも経歴でも実力でも自信を持てない理由を知り自信を持てるポイントを探していきましょう。
もちろんいきなり自信を持つことはなかなか簡単ではありません。けれども役者は悩みやコンプレックスに対して試行錯誤していることが魅力につながります。弱点はチャームポイントの裏返し。自信を持てない理由を見つけたら、それを含めて自分を愛せるよう、ゆっくりとでもチャレンジしてみてくださいね。
清潔感のない人
これは言わずもがな論外なタイプですね。清潔感というのは顔の美醜や服のセンスではなく、商品として人前に出られる準備をしているかどうかにあります。
- ヒゲや髪を伸ばしっぱなしにしている
- 肌荒れがあるのにスッピン
- 服がほつれている、破れがある
- 靴が汚れている
実を言うと僕も10代の頃「ありのままの自分を見てほしい」という思いでオーディションに向かい審査員に苦笑された経験があります。これはロクにヘアセットもせずニキビがあるのに隠さず行ってしまったのが原因でした。
俳優は素であることの美しさを求められます。けれどそれは何もしなくていいということではありません。あくまで商品として恥ずかしくないラインまで身だしなみを整えることは徹底しておきましょう。
周りを見下している人
芸歴が長かったり、華やかな経歴があったりする人に多いのがこのパターン。(友人K君談)「自分は特別で周りとは違う」という思いを捨てきれないタイプです。
もちろん自分の特別さを認識することは役者として何も間違ったことではありません。気を付けたいのはこの認識が、他人との比較で成り立っている場合になります。
周りを見下している態度や雰囲気は自分では隠しているつもりでも自然と出てしまうもの。その思いは共演者だけでなく、現場のスタッフやマネージャー陣にも伝わります。
他人との比較で自分を見ていることは、まだまだ自分を客観視できていない証拠。面倒くさそうと落とされる可能性が高いため、芸歴問わず謙虚さは忘れないようにしましょう。
自己認識のない人
自己認識は自分をプロデュースする上で欠かせない、大切な要素です。
自分がどんな外見をしていて
どんな声色で
どんな印象を持たれるか
これを知っていると知っていないとでは服選びや言葉選び、芝居でのキャラクター選択などすべてに大きな差が生まれてしまいます。
好きな服を着て自由にしゃべり、やりたいキャラクターを選択するだけではオーディションは通りません。見ている人が楽しくなれることを第一に、自分が似合う服を着て言葉も選んでしゃべり、説得力のあるキャラクターを選ぶことが重要です。
そのためにはまず自分を正しく認識すること。日頃からカメラやビデオで自分を撮影し、他人から見える自分をしっかりと把握していきましょう!
愛嬌のない人
愛嬌の良い人というとどんな人を思い浮かべるでしょうか。愛嬌がなくて落ちるタイプは、もしかするとこの定義自体がズレてしまっているかもしれません。
ここでいう愛嬌とは愛想笑いやノリのよさではなくアンガーマネジメント的態度を指します。たとえば、あなたがオーディションでこう言われたとしましょう。
もちろんこれは社会では許されない発言です。しかし見た目が一つの武器となる芸能界ではこうした言葉が交わされるのも事実。特にオーディションでは初対面であっても上記の意見が飛び出すことも多々あります。
ここで必要なのがあなた自身の愛嬌です。もちろん愛想笑いをして同調する必要はありません。大切なのは自分の琴線に触れる言葉を言われたとき即座に相手の立場に立てるかどうか。先ほどの例であればコンプレックスを指摘されたことで自身のキャラクターを説明することもできます。
(背が低い男性が珍しくて、指摘したんだろう)
このように話題を上手くエピソードトークに変えていくことも可能です。
コンプレックスをチャームポイントに変えられる人は業界でも重宝される貴重な存在。自分自身を守るためにも想像力をつかって真意を探り、愛嬌のある人を目指しましょう。
対抗心・競争心の強い人
対抗心や競争心はオーディションにおいて避けては通れない感情となります。しかしその感情を誤った方向に出力するのはNGです。
役者側にとってオーディションのゴールは合格することにありますが、相手側のゴールは最も適した人を見つけることにあります。周りへの対抗心や競争心が強い人は素の魅力が見え辛く、他人との絡みでも魅力的に映りません。
けれどもこうしたプライドはオーディションが自分にとって大きければ大きいほど出やすくなるものです。自分の将来を左右するかもしれないというオーディションこそ、気負わないことに集中して臨むようにしましょう。
自分だけの理由を答えられない人
質疑応答の場で落とされやすいのが、このタイプ。何を聞かれても一般的な答えしかいえなかったり抽象的な答えになってしまったりする人です。
オーディションの審査員にとっては質疑応答こそが相手の素を知る唯一のタイミングになります。特に相手の特徴的な面を聞くことが多いため、自分についての質問には必ず自分としての答えを持っておくようにしましょう。たとえば以下のような質問。
- どんな映画が好きなの?
- 今日の服のポイントは?
- どんな役者を目指してるの?
奇想天外な回答は必要ありません。伝えるべきはあなたの生き方や考え方が見えるような、あなただけの回答です。
それを徹底するには日頃から意思を持って行動することが大切になってきます。好きな映画があれば好きな理由を探し、今日の服を選んだ気分を言語化して、自分がなりたい俳優像は明確にビジョン化していきましょう。
【オーディション突破のために】今日からできる3つのこと
オーディションの一次に落ちやすい特徴の人が分かればクリアするために出来ることも分かっていきます。今日からでも行えるポイントは以下の3点。
- 普段から自分を客観視する
- 生活のすべてに理由付けを行っていく
- 緊張を和らげるルーティンを見つける
オーディションは実力だけでなく縁と運の世界でもあります。自分の魅力を最大限にアピールできれば一次選考突破も夢ではありません。そこから先は脚本との相性や似合うキャラクターの有無なども関わってきますので、その戦いの場に立つためにもまずは一次突破を目指しましょう。
①普段から自分を客観視する
いまはスマホが席巻する世の中でさまざまなアプリが登場し、本当の自分を見失う機会が非常に多くなっています。特に自撮りやSNSにハマっている人は要注意。周りから見る自分と自分が思う自分との差がどんどん深まっていきます。
自分をキチンと客観視するためには、他人に撮ってもらったり自撮りでも外側のカメラを使ったりすることが大切です。理想の自分を本当の自分と置き換えてしまわないよう写真の使い方には十分注意しましょう。
②生活のすべてに理由付けを行っていく
生活にはあなたが選んだ選択肢がたくさん詰まっています。
- 着ている服
- 使っているコスメ
- 通っているお店
- 働いているバイト先
すべてがあなたの選択肢であり、あなたのこだわりです。ただ無意識に生活するのではなく、何かを使う時・どこかへ向かう時には、どうしてその選択肢にしたのかを徐々に明確にしていきましょう。
こだわりの理由が分かればあなたの考え方や生き方が明確になり、あなたの個性が浮き上がります。「個性がなくて困っている」という人にもおすすめの方法になりますので、ぜひ今日から理由付けを習慣化してみてくださいね。
③緊張を和らげるルーティンを見つける
オーディションで最も避けたいのが緊張で上手くできなくなる事態です。緊張は素直さや魅力を半減させてしまう厄介なものですが、乗り越えられれば周りよりも一歩先に行くことができる重要な要素でもあります。
そのためには自分なりに緊張を和らげる方法を知っておくことがポイント。以下はわたしや周りの役者が実際に活用している緊張緩和の方法です。
- 場所や周りにいる人をじっくり観察する
- お気に入りの音楽を聴く
- どこでもできる軽いストレッチをする
- コーヒーを飲む
緊張のほぐし方は人それぞれ異なるもの。気になったものから試して自分が一番落ち着く方法を見つけてみてくださいね。
オーディション突破の鍵は自分の魅力の中にある
オーディションは勝負の場ではなくアピールの場。役者としてはもちろん人として魅力的であるためには、日頃から自分の魅力を把握してアピール方法を考えておくことが大切です。
自信をもってオーディションに臨むためにも、まずは自分の隠れた魅力について探ってみてはいかがでしょうか。