人生に絶望する瞬間って意外とありふれています。人間関係や恋愛、仕事のミスや変わらない日々の生活。私たちはいつも頑張って生きていて、なんてことないかのように生活を送っているものです。
暗い話ですが、わたしはこれまでいじめやパワハラを原因に、鬱や自殺未遂を経験してきました。そして、今でこそ原因や対処法は分かるものの、当初は「疲れた」の一点しか浮かびませんでした。いざという時に判断力が鈍ってしまうのも鬱の代表的な予兆の一つです。
いまこのページにアクセスした貴方はわらをもすがる思いで検索したのかもしれませんし、そうではないかもしれません。どちらにせよ、このページが少しでもあなたの肩の力を抜く手助けになれば幸いです。
人生に疲れてしまう人の特徴3選
疲れてしまう人には共通点があります。欠点でも短所ではありません。むしろ人として正しく在ろうとする人や周囲に優しくあろうとする人ほど、自分の疲れは無視してしまいやすいものです。もし思い当たる特徴があったなら、否定するのではなく自分の特性として知っておきましょう。
自分自身を深く知ることは、自分を守る術を教えてくれます。疲れやすい人は頑張りすぎる人。自分を責めるばかりでなく、自身の美点としても捉えてみてくださいね。
一生懸命で何事にも真面目に取り組む
疲れやすい人は人よりもプレッシャーや責任を負いやすい人です。一つの仕事を与えられたら、できうる限りの力をもって最大限のパフォーマンスを発揮しようと奮闘します。本当に誠実で真面目な良い人なのです。
もちろんそれは全く悪いことではありません。ただ、疲れやすい人はその際に自身のキャパシティーをも無視してしまう傾向にあります。
真面目に取り組んだにもかかわらず、損をしてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。真面目に取り組む人の周りには、皮肉なことに甘え上手な人が集まってきます。上手に躱せばよいものの真面目な人はその人の分も手伝ってしまうことが多いもの。
真面目な自分は讃えつつ、自分のキャパシティーはしっかりと把握しておくことが肝心です。
周囲を尊重して自分を合わせていく
疲れやすい人の特徴としては限界まで我慢することが挙げられます。その背景には「輪を乱すまい」という意識があり、限界まで自身の本音や意見を隠し通す癖があります。
こんな思いを日常的に抱えている人は、きっと相当な頑張り屋さんなのでしょう。自身の本音よりも相手の意見を尊重することは、ビジネスでは大切なことかもしれません。しかし友人や家族の前でも同じような思いをしていたら要注意です。
貴方が気付かないうちに貴方の心はドンドン削られています。自分がどう思うかは正しいか間違っているかだけではありません。貴方が感じたこと考えたことすべては貴方を構成する素敵な感性の一部です。闇雲に捨てるのではなく、大切にすることも覚えておいてくださいね。
考えすぎてしまう癖がある
疲れやすい人に一番多い特徴が、終わらない考え癖です。この特徴はアーティストにも多く、役者なんかはほぼみんな当てはまるのではないでしょうか。(少なくとも体感的には9割の役者が抱えていたように思います)
まず伝えておきたいのは考え込んでしまうのは短所ではありません。考えるという行為は人が人らしくあろうとするための最たる行為であり、誰にも迷惑をかけていません。考えるのは自分の言動を常に疑っていたり、他人に優しくあろうとしたりからです。すぐに考え込んでしまう人は世界に優しくあろうとする人だとわたしは思います。
特に役者であれば考え癖があるのはかなりの長所です。コントロールさえできれば盾にも武器にもなりますので、上手な付き合い方を知っていきましょう。
人生に疲れたら試してほしい10のこと
①自分だけの時間を確保する
とにかく誰への気遣いも必要ない自分の自分による自分のための時間を作りましょう。難しければ30分でもかまいません。とにかくいまは貴方が心底リラックスできる時間が必要です。自分だけの時間があると体感できるだけでも、自分を労わる意識は生まれ始めます。
どう作ればいいか分からないという場合は、一つ無理矢理タスクを作るのもおすすめです。具体的には以下のようなイメージ。
コーヒー一杯を座って飲む
30分間ソファに座る
金曜の帰り道はお店に寄る
なにかルールを設けると自分時間は確保しやすくなります。やりたいことが思い付かなくても大丈夫です。まずは何もしなくていい時間から見つけていきましょう。
②考えていることをメモに書き出す
人間の頭はものすごく複雑でいろいろなことを同時並行に考えられるようになっています。しかし一方で同時並行になるほど正確性が失われていくところがデメリット。気付かない内にタスクが山積みとなってしまうことも多いのではないでしょうか。
- なんだか疲れてしまった
- 何に疲れているかわからないけど何もかも面倒
そんな人はまず頭の中をなるべく掃除していきましょう。やり方は次のとおり。
- ノートにやりたいことを書き出す
- やらなければならないことを書き出す
- 悩みを書き出す(愚痴でもOK)
- できない理由を書き出す
- 残りのモヤモヤを[その他]として書き出す
ここで重要なのは頭の中を空っぽにすることです。上手く書き出す必要も、綺麗にまとめる必要もありません。頭の中ではなく目の前に"見える化"していくことを目的に、考えていることを吐き出してしまいましょう。
③後悔や反省を前向きに見つめる
疲れやすい人に多いのが失敗や過ちをずっと黒歴史として反芻してしまうこと。もちろん過去のやらかしはいつまでたっても忘れられないものです。しかし過去の自分にいつまでも足を引っ張られていては、現在の貴方の身がもちません。
ここで考えてほしいのは後悔や反省を許すことです。後悔していい、反省していい、その代わり過去の汚点で現在の自分は責めない。これが大切です。過去の出来事に後悔し反省したからこそ現在の貴方は出来上がっています。いわば後悔と反省あっての貴方です。
よく「次に生かせばいい」といいますが後悔なり反省なり生まれた感情があるならば、既に経験は生かされているといえます。頑張り屋な貴方のこと。後悔と反省を得た先に、成長した自分も見つめていきましょう。
④お風呂に入り美味しいご飯を食べる
意外と侮れないのが衣食住。頑張っているときほど疎かになりがちな生活は、思っている以上に貴方の心身を支えているものです。
「疲れてしまった」「消えてしまいたい」そんな日は、まず思考を放棄して生活を楽しんでいきましょう。もちろんこれは鬱状態が重ければ重いほど難しい課題になるかと思います。実際わたしも鬱時代はお風呂に入れず食も喉を通りませんでした。
ここでの生活を楽しむは、自身のレベルに合わせてでOKです。お風呂に入るのが難しかったら次のようなチャレンジはどうでしょうか。
- 顔を洗う
- ボディシートで身体を拭く
- 数分間シャワーだけ浴びる
食事も席に座って食べられたら100点満点。無理に出かけたり自炊をしたりせず大丈夫です。食欲がわかなければハーゲンダッツでも簡単なスープでもいいので、栄養を摂ることを意識しましょう。
⑤映画や本を味わってみる
芸術やエンタメは生活の余剰を埋めるために存在します。いうなれば何もできないときこそエンタメ芸術の出番です。
気になっていた本、見たかった映画をゆっくり消費してみましょう。何も手に付かないときは無理に消費せずとも大丈夫です。本だったら詩集でもいいし、短編集でもかまいません。映画やドラマはただ流し見したっていいんです。
あなたの心の赴くままエンタメの海にもぐってみてくださいね。
⑥生活の断捨離をする
意外とすっきりしたのが生活の断捨離。疲れてしまったときって生活のすべてが面倒になり、どの作業も手を付ける気が起きませんよね。そこでわたしが実践したのが生活にひそむ小さなストレスを断捨離していくことでした。
生活の断捨離といってもそんな大きな作業ではありません。わたしが捨てたのは次のような事柄です。
目的のないSNS時間
平日の飲み会
食器洗い
お菓子の買い溜め
流すだけのテレビ
生活をふと見つめ直してみると、積み重なっている小さなストレスはたくさんあります。しかし少しだけ時間と手間を割いて整えてみると、忙しない毎日に意外な自由時間が見つかるものです。疲れてしまったときこそ大切なのは自分だけの時間の確保。次に立ちどまった時ゆったり過ごすためにも、いまの生活のスムーズ度を見直してみてはいかがでしょうか。
⑦好きな時間に散歩する
疲れたときに一番気を付けてほしいのが自分の体を疎かにすることです。疲れてしまうと人は感情にも気疲れしてしまい、行動もだんだん伴わなくなるものです。しかし家から出ずに悩み続けたり考え続けることはあなたの気力体力をどんどんと消耗していきます。
もちろんインドア派で家にいる方が楽という人もいるかもしれません。それでも体を動かさないことはマイナス思考を助長する要因にもなりえます。
そこで提案したいのがルール無用の散歩タイムを作ることです。散歩する時間も距離も決めなくてOK。ただ散歩することだけを目的に、外に出かけてみましょう。ルールだっていらないのでこんなことをしても大丈夫です。
- コンビニで好きなものを一つ買う
- 季節の花を見つける
- 好きなラジオを聞きながら歩く
- 週末に行きたいお店を探してみる
ここで必要なのは【いま抱えている疲れや悩みから一時的にでも思考をそらすこと】です。悩みながら歩いてしまうと散歩も嫌な時間になりかねません。あくまで楽しみを増やす方法として、体を動かす時間を作ってみてくださいね。
⑧自分に投資してみる
自分に投資するのも素敵な気分転換の方法です。投資といってもお金である必要はありません。時間や手間をかけることも立派な投資の一つです。
初めてのお店に入ってみたり、習い事を始めてみたり、会いたい人に自分から声をかけてみるのも貴方の未来を変える投資といえます。とにかく自分が欲していることに向き合ってあげること、それが大切です。
なにも思いつかないという人は、疲れが優先して気力が湧かないのかもしれません。まずは自分の回復を尊重して、周りを見るゆとりができたら自己投資の行方を探してみましょう。普段からやりたいことをリスト化しておくのもおすすめですよ。
⑨小さな旅に出る
旅行というと大げさかもしれませんが、少し日常から離れてみることはとても大切です。もしお休みが取れそうであれば、非日常に足を踏み入れるくらいの感覚で遠出してみてはいかがでしょうか。
以前わたしは職場のパワハラでおかしくなりそうだったとき、突発的に京都に出掛けたことがありました。新幹線に乗り込んだはいいものの観光予定もなく車内で宿泊先だけ決める無計画ぶり。けれど着いた先に広がる京都はやっぱりちょっとした非日常で、入るカフェ歩く道になんだかワクワクしたものです。
今にして思えばこのワクワク感こそ、自分から失われていたものだったとわかります。
疲れてしまったときは絶望に近くやることなすことに辟易してしまいます。けれど決して貴方の中から純粋さが失われた訳ではありません。すこし童心に帰れるような小旅行も、ぜひ検討してみてくださいね。
⑩人に会う
月並みな言葉ですが人は人と離れて生きることはできません。だからこそ辛いし苦しいし悩むことも多いのですがそこで救ってくれるのもまた人です。
「人に会う」といっても闇雲に誰彼構わず会うなんてせず大丈夫。本当に会いたい人、信頼している人だけに、自分の大切な時間を渡していきましょう。
もしかしたら久々に会うと話に困ることもあるかもしれません。それでも会いたいと思える人なら、会いに行っていいんです。真面目な人ほど相手を楽しませられるか考えてしまうものですが、必ずしも盛り上がる必要だってありません。相手と時間を共有することを楽しんで、会える時会いたい人に会いに行ってくださいね。
人生に疲れるのはあなたのせいじゃない
世界には色んな人がいて色んな考え方、価値観、生き方があります。人生に疲れてしまったときには周りの色に上手く馴染めていないときなのかもしれません。それでも他人や自分のために悩む貴方は間違いなく心の優しい人です。
社会不適合、メンヘラ、コミュ障なんて言葉に自分を押し込めないようにしましょう。周囲を尊重できる人、我を通せる人、寡黙な人、おしゃべりな人、それらは個性であって不正解ではありません。咲く場所を変えればどんな花も美しく咲き誇ります。
疲れてしまったときはどうしても自身の価値が信じられなくなり全ての行動が無駄にすら思えるものですが、長い人生常に頑張り続ける必要なんてありません。自分を甘やかして、褒めたたえて、パーキングエリアに寄りながら、人生を気楽にドライブしていきましょう。