ボードゲームとは専用のボードを使って、駒や石を動かしながら遊ぶゲームのことです。アナログな遊び方ですが、最近ではコロナ禍の影響もあり色んなルールや設定を盛り込んだものが登場していて、かなりの盛り上がりを見せています。
そんな中ボードゲームをやったことのないわたしが初めて挑戦して、そのままドハマりしたのが、スペイン生まれの推理ボードゲーム「Qシャーロック」です。もうあまりに面白かったので、やり方や魅力を詰め込んで紹介していきます!
- 推理・ミステリー系が好み
- 難易度高めのゲームをやりたい
- 自分の探偵向き度を知りたい
そんな方はぜひぜひ!読んでみてくださいね。
「Qシャーロックシリーズ」とは?
「Qシャーロック」はスペインから登場した、協力型の推理ゲームです。独自のQシステムといったルールが特徴で、シンプルながらも小説さながらの本格推理が疑似体験できるゲームとなります。
世界各国で人気を集めており《2019年ドイツ年間ゲーム大賞》では推薦策としても選出されました。
2022年までに登場している作品は9作。日本では全作がリリースされています。また日本版では1作品につき3つのストーリーが封入されるため1つ購入すれば3回まで推理ゲームが楽しめる点もポイントです。
今回は初期作品「Qシャーロック 7月4日の死」で遊び方を説明していきます。気に入った方は続く6作にも、どんどんチャレンジしてみてくださいね!
「Qシャーロック」の遊び方
「Qシャーロック 7月4日の死」には3つの事件が封入されています。
- ラストコール
- 7月4日の死
- 考古学者の墓
それぞれの事件のあらましを知り、ヒントをゲットしながら真相を解明していくのが、プレイヤーに課せられた任務です。では早速、《ラストコール》の事件をもとに遊び方を見ていきましょう。
独自の推理システム「Qシステム」
Qシャーロックでは、協力して謎を解くための推理システム「Qシステム」が考案されています。プレイヤーが分かることは事件の導入部分と32枚のカードに描かれた手掛かりのみです。
しかし手掛かりは、すべてヒントになるわけでも全員が見られるわけでもありません。
ランダムに配られた手掛かりは一人一人が各自吟味しながら、周囲に教えるかどうか選択して推理を進めていきます。推理がどれだけ当たっていたかは、最後に実施する質問票への正答数で行うため、なるべく失点は減らして高得点を狙うことが大切です。
情報の取捨選択
切り捨てた情報の記憶
導入ストーリーからの推測
Qシステムの核は以上3点となります。互いに異なる証拠を持ち寄って、予測と修正を行いながらプレイヤー全員で事件の全貌に迫っていきましょう。
なお終了時の捨て札は6枚以上なければなりません。6枚以上なければ【事件解明失敗】となるため、くれぐれもご注意ください。
①導入ストーリーを共有する
箱を開けるとまず、それぞれの事件を示すカードの下にルールブックが置かれています。解決する事件を決めたら、カードの山札とルールブックを取り出しましょう。
ルールブックはルールの説明であり、事件のあらすじ&真相を知る大切なパーツです。折りたたまれた状態から二度開くと画像のように事件のあらすじを示す導入ストーリーが書かれています。反対側には「Qシステム」の説明が書かれているため、最初に読んでいきましょう。
なお導入ストーリーが書かれているルールブックには、それ以上開けないようシールが留めてあります。シールで隠れている下半分は事件の真相を推理し終えるまで見ないようにしてください!
②カード01を見て残りをシャッフル
導入ストーリーを全員で確認したら、山札の一番上にあるカード(右下に01の番号があるもの)を机の上に開示します。
最初のカードは、どの事件でも全員が確認できる唯一の証拠です。残りの山札はシャッフルしてから各プレイヤーに配っていきましょう。手札は一人3枚、6人以上なら一人2枚です。各自引き終えたら、残りのカードは山札としてテーブル中央に置きます。
③手札を”捨てるか公開するか”
全員が自分の持つ証拠を確認したら順番を決めて山札を1枚ずつ引いていきます。ここで重要なのが、手札は3枚(もしくは2枚)にキープすることです。
当然そのためには毎回必ず手札を1枚手放さなければなりません。
- 「重要な証拠」と判断して公開する
- 「不要な情報」と判断して捨てる
この証拠の取捨選択が、事件を解決に導けるかどうかが決まる最大のポイントです。
公開を選べば机の上において全員が見られます。しかし、無関係であった場合1ポイントの失点になるのがデメリットです。一方捨てるを選べば証拠はその人以外見られずに消えます。ただし失点が防げる上、事件解明時に記憶をたどって伝えることが可能です。
なお証拠の中には、捨てるかどうか決める前に共有できる情報が書かれたものも!
ルールブックにも記載があるとおり、アンダーラインが引かれた文章とクリップ付きの文章だけなら声に出してOKです。つまり公開前に手札の全てを伝えることはNGですが、公開可能な一部を明かして証拠かどうか全員で推測することができます。
とはいえ最終的には手札と山札すべてを取捨選択していくことになりますので、自信のあるものから手放していくようにしましょう!
④山札と手札が消えたら推理開始
すべての手札を捨てるか公開するか判断し終えたら、いよいよ推理スタート!最終時点で各プレイヤーが確認できるものは以下のとおりです。
- 最初のカード
- 導入ストーリー
- 公開を選択したカード
- 捨てるを選択したカードの記憶
捨てるを選択したカードはもう見ることができません。しかしカードを捨てた人が記憶をたどって内容を伝えることはOKです。
意見や気付きを交わしながら全員で一つの真相を目指して、思う存分議論していきましょう!
⑤導いた結論から質問に答える
事件の全体像が共有できたらいよいよ答え合わせ!
の前に、10からなる質問に答えていきます。質問票はシールで留めて隠してあった下の部分に載っています。全部を開いてしまうと真相が見えてしまうため、質問票が見えたら答えきるまで広げないようにご注意ください。
10の質問に答えたら、お待ちかねの答え合わせです!最高得点20点をたたき出して、シャーロック・ホームズと肩を並べることはできるでしょうか。
「Qシャーロック」の魅力
ひとりでも大人数でも楽しめる!
ボードゲームといえば3、4人推奨のものが多い中で、「Qシャーロック」は一人からでもプレイすることができます。ソロプレイ時には専用のルールも収録していますので、スタート前にしっかり確認しておきましょう。
もちろん2人や6人以上でのプレイも可能です。人数が少ないと手札が多く、各自の記憶力が試されます。一方人数が多い場合には手札が少なく、各自との情報共有が肝となります。
とはいえ難易度はやはり2~3人のときが最も高いかもしれません。じっくり推理したいなら少人数、ワイワイ議論しながら推理したいなら大人数で、事件に挑んでみてはいかがでしょうか。
時間制限なし!酒のつまみにも最適
ボードゲームの中には時間制限が決まっているものもあり、ほとんどのゲームが30分前後のプレイ時間を想定しています。しかしQシャーロックは、一度楽しんだら二度と戻れない刹那性が魅力の推理ゲーム。時間の制限は決まっていないため、真相に近付くためならどんなに時間をかけてもOKです。それぞれの事件の世界を思う存分堪能していきましょう。
少しお酒の入った場であれば興奮もひとしお。思いも付かないような展開が浮かんできたり、誰かの持っていた証拠が一気に事件を解決したりするかもしれません。まるで未解決事件を追う映画に入り込んだかのような、スリリングなひと時を楽しんでみてはいかがでしょうか。
大人も唸る!抜群のストーリー性
「Qシャーロック」では一筋縄ではいかない驚きのストーリー性も魅力です。
- 機内で起きた不可解な事件
- 身元不明の死体の真実
- 世界的英雄の不審死
どれも中々の難解事件といえるでしょう。
それでいて地に足着いたストーリー展開が行われていくため、真相を知った時には友人を失ったかのようなリアルな喪失感が得られます。
個人的には「ラストコール」の悲劇的かつ哀愁漂う結末がすきでした。
最後はシャーロックと推理力勝負
Qシャーロックでは最終的に10の質問に答えることで、推理力を数値化していきます。満点であっても不要な証拠を提出していればマイナスが追加されるのが、このゲームの醍醐味です。
最高の結果を残せればあなたの頭脳はシャーロック・ホームズ級!できるだけ本質的な証拠を集めて、全問正解を目指しましょう!
果たして君は事件解決できるか
Qシャーロックはいわば、想像力と理解力のテストです。完璧な推理をこなすためには、自分の中にある偏見やイメージを払拭し、まっさらな視点で事件に挑まなければなりません。
個人的には、役者仲間で遊ぶと最高に楽しいボードゲームなんじゃないかなと感じました。
神出鬼没で天真爛漫、子どもじみたピュアさと大人びたクールさを纏うシャーロック。ぜひ机の上での頭脳対決を、信頼できる相棒と遊んでみてはいかがでしょうか。